ストックホルムシンドローム(DSS)その②               ~心を失っても親に愛されたい~

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本来、子どもは好きなものを好きと素直に認知して、正常な感性をもって
成長していきます。
言い訳のような不自然なことをしなくても見捨てられる心配はなく自分を
愛してくれる親を、事前と好きになっていきます。
子どもは本来、自分に気持良さを提供してくれる人を好きになるものです。
人というものは基本的に悦びを提供してくれる人を好きになるのです。
もちろん、不安を解消してくれる人も好きになります。
この心の動きは自然なことです。

おいしい食事という「気持ちよさ」だったり、
おいしい食事を「おいしいね」と、共感してくれたりと、
悦びの共感もまた、悦びなのです。
そして絆を深めることができます。
だから恋人たちは、食事を共にしたがるのです。

このような、和気あいあいとした家族の中で育てられると
子どもは親と対等になっていきます
上下関係ではなく、
支配者、被支配者という力関係でもありません。
子育てする側、される側ではあっても、
悦びに関しては対等な立場を作り、人は親子の絆を作っていくのです。
信頼とは、そうした対等の関係の中で育まれるものです。
「私も楽しい あなたも楽しい」
お互いが楽しいと思えることをするのです。
それが尊重しあうということで、対等な関係ということです。

ストックホルムシンドロームについて詳しくは、その①を参照くださいね。

DSSを発症しやすい家庭の特徴3つ

①不信 【自己不信が人間不信を生む】

ヘタなことをしたら親に見捨てられてしまうんじゃないか……
という人間不信、親に対する不信感が、
「親を喜ばせることをしないと親は自分を愛してくれないんじゃないか」
「自分はただ座っているだけでは親から見捨てられてしまうのではないか」
という、恐怖と不安を発生させてしまいます。
その恐怖を回避するために無理してでも
良い子になろうとするのです。

言い換えると
子どもは親を100%信用しきっていないのです。

②契約関係 【親子関係が契約関係になっている】

①の親を100%信用しきれていないこどもが、
親を喜ばす良い子になって、
「親を喜ばせますから、代わりにどうか私を見捨てないでね」
という、契約関係を作ろうとします
親を喜ばせた見返りとして、親に養ってもらうという
物々交換のような契約関係
です。

③上下関係 【対等でない親子関係】

子どもが不自然なほど親を好きになったり、
尊敬したり、
感謝したりするのは
現実が対等ではないからなのです。

それはどういうことかと言いますと、
もともと人間というものは
目下の者が、目上の者に尊敬と感謝をしていると
お互いに対等になれるものなのです。
目下の者には、いたわりや優しさの気持ちで接すると
人は対等になれるのです。
でも、
上下関係のある家庭ほど、子どもは過大に親に感謝し、
親を尊敬していたりします

不自然なほど親を崇拝して、絶対視していたりします
これは、子どもの生き残り戦略だからなのです。

つまりは、現実世界が対等でないから、自分に嘘をついても
意識の世界で尊敬と感謝をして対等になろう
とするのです。

DSSを発症している家庭では


親に愛されているから、親を尊敬し、感謝している家庭と、
親に愛されずにDSSが発生して無理に感謝や尊敬をしている家庭
外見上の様子は似ています
そして一見、外からみていると
なんの問題もない普通の家庭のようにも見えるのです。
外見は似ていても、
前者はホンネとタテマエが一致した真実に家庭
後者はホンネとタテマエが正反対の偽りの親子関係を保っている家庭
なのです。

子どもが親を好きになることは
生き残るための最重要項目です。
なぜかというと、
子どもが親を嫌ってしまったら、
いよいよ親から愛が貰えなくなることを知っています
ストックホルムの銀行強盗事件の人質のように
弱者である子供は、こういった事情を直感的に見抜いてしまって
いるからです。
だから、親から冷たい仕打ちを受けて不満を抱きそうになったら
あわててそれを否定して、小さな親からの親切を1000倍くらいに
拡大して感謝しようとします。

それから、
親の不誠実な行動をみて軽蔑したくなっても、
不誠実と感じる自分こそヘンな子なのだと
自分の感性を否定してでも、親を尊敬しようとするのです。
そうやって親愛の情をアピールするのです。

*ストックホルムシンドロームやDSSについて詳しくは「その①」を
 参照ください。胸が痛く感じるかもしれませんが、ぜひ読んでみてください。

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